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北海道の鰤の旬は、公的資料では「秋から冬の寒い時期」とされ、地域別に見ると9〜10月を中心に考えるのが分かりやすい魚です。
ただし、9〜10月という数字は「北海道全体で食味のピークが公的に確定した月」という意味ではありません。北海道への来遊時期、地域の漁期、産地の食文化などを合わせた目安として捉える必要があります。
「北海道の鰤はいつが旬なのか」「函館・余市・羅臼では時期が違うのか」と気になっている方は、ここを押さえてください。
北海道庁の資料では、北海道産ブリの旬は秋から冬の寒い時期とされています。また、2025年度版の「北海道水産資源管理マニュアル」は2026年1月22日に公開されており、ブリの北海道周辺への来遊時期を海域別に整理しています。北海道庁+1
そのうえで産地情報を見ると、函館周辺は7〜10月、余市の「天上ぶり」は9月中旬〜10月下旬が中心です。
一方、羅臼では2023年6月末に10kg以上のブリが定置網へ多数入ったという個別事例もあります。函館市公式サイト+2ハチメンロッピ+2
つまり北海道の鰤は、「北海道だから何月」という一つの答えではなく、海域と魚の状態を一緒に見ることが重要です。
この記事では、最新の北海道水産資源管理マニュアルを軸に、北海道全体、函館、余市、羅臼の違いを整理します。
さらに、「漁期」と「旬」を分けて考える理由、北海道でブリが増えてきた背景、そして2026年9月時点で何に注意して情報を見るべきかまで掘り下げます。
北海道の鰤の旬はいつ?まず「9〜10月」と「秋から冬」を分けて考える
北海道の鰤について、最初に整理しておきたいのが「旬」という言葉です。
北海道庁のブリ紹介資料では、北海道産ブリについて「旬は秋から冬の寒い時期」と説明されています。つまり、公的資料が「9月〜10月だけが旬」と明確に限定しているわけではありません。北海道庁
では、なぜ北海道のブリの記事では9〜10月という時期が頻繁に出てくるのでしょうか。
大きな理由の一つが、ブリの回遊と北海道各地での水揚げです。
北海道水産資源管理マニュアルでは、ブリは5〜6月頃に道南へ来遊し、その後、7〜8月頃には東日本海や以西太平洋、9〜10月頃にはオホーツク海や根室海峡へ来遊すると整理されています。北海道庁
この情報から分かるのは、北海道のブリは一つの海域にずっといる魚ではないということです。
季節の進行とともに分布する海域が変わるため、北海道の中でも水揚げされる場所や時期がずれていきます。
そして北海道庁は、北海道産ブリについて「北の海で豊富な餌を食べて育つ」ことを特徴として紹介しています。北海道庁
したがって、この記事では「9〜10月=公的に確定した唯一の旬」とは扱いません。
北海道全体を食べる時期の目安として見るなら9〜10月が分かりやすい。ただし、公的資料上の表現は秋から冬であり、地域差も大きい。
これが最も正確な答えです。
ここを曖昧にすると、検索ユーザーに「9月1日になったら必ず旬」「10月31日を過ぎたら旬ではない」と誤解させてしまいます。
魚の旬は、カレンダーの数字だけで決まるものではありません。
産地、魚体、漁場、回遊、餌、そしてその地域でどう食べられてきたか。
こうした要素を重ねて見る必要があります。

北海道の鰤の旬を地域別に比較するとどう違う?
北海道の鰤を本当に理解したいなら、「北海道」という一つの大きな括りを一度外してみましょう。
函館、余市、羅臼では、ブリが見えてくる時期が違います。
地域 確認できる時期 位置づけ
北海道全体 秋〜冬が旬と北海道庁が説明 9〜10月は秋の代表的な時期として捉えやすい
函館周辺 7〜9月、地域によって7〜10月 夏から秋に漁期がある
余市 9月中旬〜10月下旬 「天上ぶり」の時期
羅臼 6月末の大型ブリの事例あり 個別事例として初夏の水揚げを確認
函館市の公式「お魚カレンダー」は、函館市内の漁業協同組合別に漁期を確認できる資料です。ブリについては、函館市・銭亀沢・えさんが7〜9月、戸井・南かやべが7〜10月という整理になっています。函館市公式サイト+1
この表から重要なのは、函館では7月からブリが漁獲されるという事実です。
だからといって「函館のブリは7月が旬」と即断することはできません。
ここで「漁期」と「旬」を分ける必要があります。
漁期とは、魚が漁獲される時期です。
旬は一般に、食味が良い時期として使われます。
もちろん両者が重なることはあります。
しかし、漁獲できるからといって、その月が必ず食味のピークとは限りません。
この違いを理解するだけで、北海道の鰤について書かれた情報を読む精度が大きく上がります。
函館の鰤はいつ獲れる?
函館周辺では、ブリは夏から秋にかけて漁期を迎えます。
函館市の公式カレンダーでは、函館市・銭亀沢・えさんは7〜9月、戸井・南かやべは7〜10月です。函館市公式サイト
つまり函館については、「9〜10月だけ」という理解より、7月から始まり秋まで続く地域性を見るほうが適切です。
さらに函館には、戸井地区の天然ブリという地域ブランドがあります。
ここで大切なのは、産地名だけでなく、漁獲後の扱いにも目を向けることです。
北海道の魚を選ぶとき、「どこで獲れたか」は重要です。
しかし、それだけで食味が決まるわけではありません。
水揚げから流通まで、魚がどのように扱われたかも食卓での印象に関係します。
この視点は、産地ブランドを単なる地名として見るのではなく、魚が市場へ届くまでの工程まで含めて理解するために重要です。
余市の「天上ぶり」はいつが旬?
余市のブリを語るなら、「天上ぶり」は外せません。
「天上ぶり」は北海道余市で漁獲される天然ブリで、9月中旬から10月下旬に定置網で獲れると紹介されています。
八面六臂の産地情報では、寒ブリシーズンの先駆けとなる存在で、一般的な寒ブリほど脂が強くなく、上品な脂の甘さが特徴と説明されています。ハチメンロッピ
ここは、北海道の鰤の旬を考えるうえで非常に面白いポイントです。
「旬=脂が一番多い時期」と単純化すると、天上ぶりの魅力を説明しにくくなります。
天上ぶりは、冬の寒ブリとは違うタイミングに出てくる魚です。
つまり、脂の量だけではなく、脂の質や身とのバランスを含めて食味を考える必要があるわけです。
私はここが北海道のブリを面白くしている部分だと考えます。
「寒くなればなるほど脂が増える」という一方向の見方ではなく、北上してきたブリが秋の北海道でどういう状態になっているのかを見る。
それが「天上ぶり」という地域ブランドを理解する近道です。
羅臼のブリは6月末から?10kg超の事例が示すこと
北海道の鰤を調べていると、羅臼の事例には驚かされます。
2023年7月15日掲載の「市場魚貝類図鑑」では、6月末に北海道羅臼町の定置網へ10kg以上のブリが多数入ったと記録されています。図鑑坊主
さらに、その後に市場へ入った羅臼産の8kgのブリについても、現場で上物と評価されたことが記されています。図鑑坊主
これだけを見ると、「羅臼のブリは6月が旬なのか?」と思うでしょう。
しかし、ここでは慎重さが必要です。
この情報は、2023年に確認された個別の水揚げ事例です。
これをそのまま「羅臼では毎年6月が旬」と一般化することはできません。
この区別は非常に重要です。
一方、北海道の資源管理資料では、9〜10月頃にオホーツク海や根室海峡へブリが来遊するとされています。北海道庁
つまり、羅臼周辺では秋の来遊情報がある一方で、初夏にも大型個体がまとまって入った年が確認されているわけです。
ここから見えてくるのは、ブリの回遊は単純な一本線ではないということです。
海況や餌の状態などによって、年ごとの分布や水揚げには変動があり得ます。
だから「北海道の鰤は9〜10月」と覚えて終わるのではなく、地域別の情報を確認する必要があります。

なぜ北海道でブリが増えた?海水温だけでは説明できない
北海道の鰤について、もう一つ検索されることが多いのが「なぜ北海道でブリが増えたのか」という疑問です。
北海道庁のブリ資料では、近年、海水温の上昇などの影響によって北海道全域でブリが水揚げされるようになったと説明されています。
同資料では、平成22年と比較して令和3年の漁獲量が約6.5倍となり、令和3年には天然ブリの漁獲量が全国1位になったことも紹介されています。北海道庁
ただし、「海水温が上がったからブリが増えた」と一文で終わらせるのは少し乱暴です。
北海道水産資源管理マニュアルを見ると、ブリは成長しながら日本周辺を広く移動し、北海道では時期によって分布する海域が変わっています。北海道庁
つまり、北海道でブリが増えている現象を見るには、
- 海水温などの海洋環境
- ブリそのものの回遊
- 餌の状況
- 魚の成長段階
- 年ごとの海況
- 漁獲状況
などを合わせて考える必要があります。
ここが、単純な「温暖化で北上した」という説明との違いです。
もちろん海水温は重要な背景です。
しかし、魚は水温計だけを見て移動しているわけではありません。
魚が生きるには餌も必要です。
回遊するには海流などの環境も関係します。
だから北海道のブリの増加を考えるときは、水温は原因候補の一つとして捉え、資源管理資料や海況データを合わせて見るのが適切です。
私は、こここそ北海道のブリを語るときに最も誤解してはいけない部分だと考えます。
分かりやすい説明ほど、単純化しすぎないことが大切です。
北海道の鰤の旬と回遊はどうつながっている?
ブリは回遊魚です。
北海道水産資源管理マニュアルでは、北海道周辺への来遊時期が海域別に整理されています。5〜6月頃には道南、7〜8月頃には東日本海や以西太平洋、9〜10月頃にはオホーツク海や根室海峡へ来遊するとされています。北海道庁
この流れを見ると、函館と余市と羅臼でブリの情報が違って見える理由が分かります。
魚が動いているからです。
函館周辺では夏から秋に漁期が設定されています。
余市では秋の天上ぶりが知られています。
一方、羅臼では初夏の大型ブリの事例が確認されています。
これらを「どれが本当の旬なのか」と一つに決めようとすると、かえって混乱します。
すべての情報を回遊の時間軸に置くと、それぞれが違う場所から見たブリの姿だと理解できます。
さらに北海道の資料では、9月頃から水温が低下し始めると成魚が産卵のため南下回遊すると説明されています。北海道庁
ここから考えると、北海道の秋ブリは「北の海に一年中いるブリ」ではありません。
北の海へ来遊していた魚が、季節の変化とともに次の海域へ移動していく途中の姿として見ることができます。
この見方をすると、北海道の秋ブリと本州で知られる冬の寒ブリの関係も理解しやすくなります。
同じブリという魚が、季節と海域を変えながら移動している。
だから地域ごとに「旬」の表現が違ってくるのです。

北海道産ブリは天然?食味を見るとき何を確認する?
北海道産ブリについて、北海道庁の資料では100%天然物と紹介されています。北海道庁
これは北海道産ブリを知るうえで重要な特徴です。
ただし、「天然だから必ずおいしい」と単純に考える必要はありません。
天然魚は、同じ産地でも個体差があります。
魚体の大きさ、餌を食べていた海域、漁獲された時期、漁獲後の処理などによって、食べたときの印象は変わります。
だから北海道産ブリを選ぶときは、「北海道産」という表示だけでなく、もう一段深く見てみましょう。
例えば、
- どこの海域で獲れたのか
- いつ水揚げされたのか
- 天然かどうか
- 切り身なら身の色や状態はどうか
- ドリップが多く出ていないか
- 生食用か加熱用か
- 販売店が示す保存方法は何か
といった情報です。
特に生食については、見た目だけで安全性を判断してはいけません。
販売表示、保存状態、取り扱い方法を確認してください。
天然ブリには寄生虫のリスクもあり得るため、刺身で食べる場合は販売側の表示や適切な取り扱いに従うことが重要です。
旬を楽しむことと、安全に食べることは別々ではありません。
どちらも魚を楽しむための基本です。
北海道の鰤は脂が多いほど旬なのか?
ここで、ブリ好きならぜひ覚えておきたい話があります。
「ブリの旬=脂が一番多い時期」と考えがちですが、北海道の産地情報を見ると、必ずしもそう単純ではありません。
余市の天上ぶりは、寒ブリほど強い脂ではなく、上品な脂の甘さが特徴として紹介されています。ハチメンロッピ
これは、冬の寒ブリとは違う魅力を示しています。
つまり、脂の「量」だけを比べるのではなく、脂と身のバランスを見る必要があります。
もちろん脂がたっぷり乗ったブリが好きな人もいるでしょう。
一方で、脂が強すぎないブリを好む人もいます。
ここには味覚の違いがあります。
だから「脂が多い=誰にとっても旬」という考え方は避けたほうがいいでしょう。
天上ぶりのように、秋の走りを楽しむブランドが存在すること自体が、そのことを示しています。
さらに北海道庁は、北海道産ブリについて北の海で豊富な餌を食べて育つことを特徴として紹介しています。北海道庁
ここから考えると、北海道産ブリを食べる楽しみは「冬の寒ブリと脂の量を競わせること」ではありません。
北の海で育った天然ブリが、その季節、その地域でどんな身質になっているのかを味わうこと。
私はこちらのほうが、北海道の鰤という食材を正確に理解できる見方だと考えます。
北海道の鰤を食べるならどんな料理が合う?
北海道産ブリは、刺身だけが楽しみ方ではありません。
北海道庁のブリ資料でも、ブリはアレンジしやすい食材として紹介され、さまざまな料理への活用が示されています。北海道庁
脂がしっかりした個体なら、焼き物や照り焼きにしても存在感があります。
一方、秋の天上ぶりのように上品な脂を楽しむなら、刺身などシンプルな食べ方も候補になります。
ただし、料理の「正解」は魚の状態によって変わります。
同じブリでも、魚体や脂の乗りによって向いている料理は違います。
だから私は、旬の魚を買ったら、いきなり濃い味付けをするより、まず魚そのものの状態を見ることをおすすめします。
刺身で食べられる商品なら、まず少量をそのまま味わう。
焼くなら塩を控えめにする。
脂が強ければ大根おろしなどを合わせる。
こうすれば、その魚の特徴をつかみやすくなります。
もちろん生食の場合は、必ず「生食用」などの表示を確認し、適切な保存・取り扱いをしてください。
「北海道産」というだけで刺身にできるわけではありません。
産地表示と生食の可否は別の情報です。

北海道のブリ漁獲量はどう変わった?2024年度16,444トンの意味
北海道のブリを調べると、過去の漁獲量がよく登場します。
特に2020年の約1万5,500トンという数字は、北海道でブリが増えてきたことを示す資料として知られています。
しかし、2026年現在の記事でこの数字だけを「過去最高」と書くのは適切ではありません。
北海道水産資源管理マニュアルのページでは、2025年度版が最新資料として2026年1月22日に公開されています。北海道庁
そして、この記事で確認した最新の資源管理資料では、2024年度の北海道のブリ漁獲量は16,444トンで過去最高値とされています。
ここで大切なのは、過去の記事に出ている数字をそのまま現在の情報として使わないことです。
2020年に15,500トンだった。
その後さらに増えた。
そして2024年度には16,444トンとなった。
このように年度を付けて比較する必要があります。
魚の漁獲量は毎年変動します。
ある年に大量に獲れたからといって、翌年も同じ量になるとは限りません。
したがって、
長期的に北海道でブリが増えてきたこと
と、
特定年度の漁獲量が多かったこと
は分けて考えるべきです。
これは旬についても同じです。
「北海道ではブリが増えている」という長期的な話と、「今年の9月にどれだけ水揚げされているか」という短期的な話は別問題です。
2026年9月の北海道の鰤はどう見る?最新情報との付き合い方
2026年9月18日時点で北海道庁の水産局漁業管理課を確認すると、2026年9月16日には秋さけの漁獲速報が更新され、8月25日には北海道資源管理方針なども更新されています。北海道庁+1
一方、ブリについては、この記事で確認できる最新の基礎資料として2025年度版「北海道水産資源管理マニュアル」が公開されています。北海道庁
ここで注意したいのは、「2026年9月の最新ブリ漁獲量が16,444トン」という意味ではないことです。
16,444トンは2024年度の確定的な資料として扱う数字です。
2026年の水揚げ状況と混同してはいけません。
これはニュース解説記事を書くうえで非常に重要な時点管理です。
現在の記事なら、「最新の公的資料で確認できる過去の確定値」と「今年の水揚げ状況」を明確に分ける。
これだけで記事の信頼性は大きく変わります。
そして2026年9月という時期を考えれば、北海道の鰤を食べる人にとっては、まさに秋の産地情報を確認するタイミングに入っています。
ただし、現時点で確認できない水揚げ量を推測してはいけません。
「今年は豊漁だろう」「今年は脂が乗っているだろう」といった推測を事実のように書くのも避けるべきです。
魚は毎年変わります。
だから今年の魚について知りたいなら、販売店や漁協、自治体などが発表する最新情報を確認しましょう。
北海道の鰤の旬をどう判断する?3つの視点
ここまでの資料を整理すると、北海道の鰤の旬を判断するときには三つの視点が重要です。
1.海域を見る
函館と余市と羅臼では、ブリが確認される時期が違います。
北海道水産資源管理マニュアルでも、季節によって来遊する海域が変わることが示されています。北海道庁
だから「北海道産」という表示だけで判断せず、可能なら産地まで確認しましょう。
2.漁期と食べ頃を分ける
函館では7〜10月の漁期があります。
しかし、それだけで「7〜10月が食味の旬」とは言えません。函館市公式サイト
一方、北海道庁の資料では北海道産ブリの旬を秋から冬の寒い時期と説明しています。北海道庁
つまり、漁獲される時期と食味の旬を分けることが必要です。
3.その魚の状態を見る
同じ月、同じ産地でも魚体は一律ではありません。
大きさ、脂、身質、水揚げ後の扱いなどを見て判断する必要があります。
余市の天上ぶりが「寒ブリほど強い脂ではなく、上品な脂の甘さ」を特徴としていることは、その分かりやすい例です。ハチメンロッピ
この三つを組み合わせれば、「9月だから旬」「10月だから必ず脂が乗っている」という単純な判断から一歩抜け出せます。
考察・見通し|北海道の鰤は「月」ではなく「海域」で見ると分かる
ここからは筆者としての私見です。
今回あらためて資料を整理して感じたのは、北海道の鰤について「旬は何月ですか?」という質問に一つの数字だけで答えること自体に限界があるということです。
検索ユーザーが欲しいのは数字でしょう。
しかし、魚を正しく理解するためには数字の背景まで必要です。
北海道庁は北海道産ブリの旬を秋から冬の寒い時期としています。北海道庁
一方、資源管理資料ではブリの来遊時期が海域によって変化しています。北海道庁
さらに函館では7月から漁期が始まり、余市では9月中旬から10月下旬の天上ぶりが知られています。
羅臼では6月末の大型ブリという個別事例まであります。
これらを全部並べれば、「北海道の鰤の旬は何月」という問いに対して、単純な一つの数字では説明しきれないことが分かります。
そこで私は、北海道のブリを見るとき、「月」より先に「海域」を見るべきだと考えます。
函館なら道南のブリ。
余市なら秋の天上ぶり。
羅臼ならオホーツク海・根室海峡側のブリ。
同じ北海道でも、海が違います。
そして海が違えば、回遊してくるタイミングも違います。
これが地域別の旬を理解するうえで最大のポイントです。
もう一つ重要なのが、海水温の変化です。
北海道庁は海水温の上昇などを背景として北海道全域でブリが水揚げされるようになったと説明しています。北海道庁
しかし、そこから「今後も北海道のブリは増え続ける」と結論づけることはできません。
資源は海況や餌、加入、回遊、漁獲圧などさまざまな条件に左右されます。
2024年度に16,444トンという過去最高値を記録したことも重要ですが、これは一つの年度の結果です。
今後については、北海道水産局や北海道立総合研究機構などの資源評価を継続して見る必要があります。北海道庁は2025年度版の資源管理マニュアルを公開し、資源評価を担当する北海道立総合研究機構の各水産試験場なども案内しています。北海道庁
私は、ここに北海道のブリの面白さがあると思います。
魚の旬を追うだけなら、9月、10月とカレンダーに印を付ければ済みます。
しかし、海域と回遊まで追いかけると、魚がどこから来て、どこへ向かっているのかが見えてきます。
魚を食べるという行為が、海の季節を読む行為に変わるわけです。
さらに、ブランド魚を見るときには、産地名だけで判断しないことも重要です。
余市の天上ぶりのように、特定の時期、特定の漁法、特定の地域で評価されている魚があります。
函館にも地域別の漁期があります。
つまり「北海道産ブリ」という一つの商品カテゴリーの中にも、かなり細かな違いがあります。
この違いを知っているだけで、魚売り場で見る景色は変わります。
「北海道産ブリ」と書いてある。
そこで終わらない。
「どこだろう?」
「いつ獲れたのだろう?」
「天然だろうか?」
「今の時期なら、どんな食味が期待されるのだろう?」
そう考えて魚を見る。
これが私の考える、北海道の鰤を楽しむ一番面白い方法です。
もちろん、味の評価には個人差があります。
「脂が多いほうが好き」という人もいれば、「脂が強すぎないほうが好き」という人もいます。
だから、記事を書く側が「この時期が絶対に一番うまい」と断言するのも適切ではありません。
資料で確認できる事実と、食文化としての評価、そして筆者の判断を分ける。
これこそ、魚の記事で守るべき基本だと私は考えます。
北海道の鰤の旬を季節ごとに整理
最後に、季節ごとの情報を整理しましょう。
6月〜7月
北海道では5〜6月頃から道南へのブリの来遊が確認されています。北海道庁
さらに羅臼では、2023年6月末に10kg以上のブリが定置網へ多数入ったという事例があります。図鑑坊主
ただし、これは羅臼の毎年の旬を意味するものではありません。
初夏にも大型ブリが確認されることがある。
ここまでが、資料から安全に言える範囲です。
8月
北海道水産資源管理マニュアルでは、7〜8月頃に東日本海や以西太平洋へ来遊するとされています。北海道庁
函館周辺では公式の漁期カレンダーでもブリの漁期に含まれます。函館市公式サイト
夏の北海道でもブリは十分に漁獲対象となります。
ただし、漁期と食味の旬は分けて考えましょう。
9月〜10月
北海道の鰤を食べる時期の目安として、まず覚えておきたいのがこの時期です。
北海道庁は北海道産ブリの旬を秋から冬の寒い時期と説明しています。北海道庁
また、余市では9月中旬〜10月下旬に天上ぶりが定置網で漁獲されます。ハチメンロッピ
北海道水産資源管理マニュアルでも、9〜10月頃にはオホーツク海や根室海峡への来遊が整理されています。北海道庁
そのため、検索ユーザーが「北海道の鰤はいつ食べればいい?」と聞いてきた場合、私はまず9〜10月を中心に産地情報を確認すると答えます。
ただし、「9〜10月だけ」とは言いません。
11月〜冬
北海道庁の資料では旬を秋から冬の寒い時期としています。北海道庁
ただし、函館の公式漁期では戸井・南かやべが10月までとなっているため、地域によって漁期の終わりは違います。函館市公式サイト
北海道のブリが南下していく季節と重なり、本州側では冬の寒ブリの時期へつながっていきます。
このため、「北海道のブリ=冬の寒ブリ」という理解ではなく、北海道では秋を中心に楽しみ、魚の移動とともに冬のブリへつながっていくと考えると分かりやすいでしょう。
まとめ|北海道の鰤の旬は9〜10月を目安に、地域と魚の状態を見る
北海道の鰤の旬について、最も大切なポイントを整理します。
北海道庁の資料では、北海道産ブリの旬は「秋から冬の寒い時期」とされています。北海道庁
そのため、検索上よく使われる「北海道のブリは9〜10月が旬」という表現は、秋の代表的な食べ頃を示す目安としては分かりやすい一方、公的資料が「9〜10月だけを旬と定義している」という意味ではありません。
地域別に見ると、さらに違いがはっきりします。
函館周辺では、函館市・銭亀沢・えさんが7〜9月、戸井・南かやべが7〜10月の漁期です。函館市公式サイト
余市では、天然の「天上ぶり」が9月中旬〜10月下旬に定置網で獲れ、寒ブリの先駆けとして紹介されています。ハチメンロッピ
羅臼では、2023年6月末に10kg以上のブリが定置網へ多数入った個別事例が確認されています。図鑑坊主
つまり、
北海道全体:秋〜冬が旬。9〜10月を秋の代表的な時期として見ると分かりやすい。
函館:7〜10月を中心に漁期がある。
余市:9月中旬〜10月下旬に天上ぶり。
羅臼:6月末に大型ブリが入った事例がある。ただし個別事例。
という整理になります。
そして、北海道のブリが増えてきた背景には、北海道庁が説明する海水温の上昇などの環境変化があります。北海道庁
さらに北海道水産資源管理マニュアルでは、季節によってブリの来遊海域が変化することが示されています。北海道庁
だからこそ、北海道の鰤を調べるときは、単純に「9月」「10月」という数字だけを見るのではなく、
産地
水揚げ時期
回遊する海域
魚体の状態
漁獲後の扱い
まで見ることが大切です。
そして数字を扱うときは、必ず年度を確認しましょう。
過去には2020年の約1万5,500トンという数字が大きな節目として紹介されていましたが、現在の北海道水産資源管理資料では、2024年度のブリ漁獲量が16,444トンで過去最高値とされています。北海道庁
これは、「北海道でブリが増えた」という長期的な流れと、「特定年度の漁獲量」という短期的な数字を分けて考える必要があることも示しています。
旬も同じです。
旬はカレンダーだけでは決まりません。
海が動けば魚も動きます。
産地が変われば、獲れる時期も変わります。
魚の状態が変われば、食味の印象も変わります。
だから北海道の鰤を味わうなら、まず9〜10月を一つの目安にしながら、実際の産地と水揚げ情報を確認しましょう。
函館の夏から秋。
余市の秋の天上ぶり。
羅臼で確認された初夏の大型ブリ。
同じ北海道でも、見えてくるブリの姿は違います。
これこそ、回遊魚を食べる面白さです。
自然はカレンダーどおりには動きません。
だからこそ、その年、その海、その魚を確かめる。
今日の一尾をしっかり見る。
それが、旬を本当に楽しむための一番確かな方法です!
よくある質問
北海道の鰤の旬は何月ですか?
北海道庁の資料では「秋から冬の寒い時期」とされています。検索上の目安として整理するなら、9〜10月を中心に考えると分かりやすいでしょう。ただし、これは「9〜10月だけが旬」という意味ではありません。北海道庁
函館のブリは何月に獲れますか?
函館市の公式漁期カレンダーでは、函館市・銭亀沢・えさんは7〜9月、戸井・南かやべは7〜10月です。漁期と食味としての旬は別なので、7月から獲れることだけで「7月が旬」と判断するのは避けましょう。函館市公式サイト
余市の天上ぶりはいつ食べられますか?
余市の天上ぶりは、9月中旬から10月下旬に定置網で獲れる天然ブリとして紹介されています。寒ブリの先駆けとされ、一般的な寒ブリほど強くない、上品な脂の甘さが特徴とされています。ハチメンロッピ
轟健造(とどろきけんぞう)

